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第45回 配偶者居住権の留意点とは?

2023.12.15

こんにちは!相続未来図の志田です。

まずは志田農園からの夕景です。
冬は空気が澄んでいて
富士山もくっきり拝むことができます。

また、今週の志田農園では冬の初物が収穫されました!
白菜はお鍋…長芋はとろろにしてもいいですが
短冊切りや乱切りにして醤油とワサビでいただくのも
お勧めです。

さて、今回は配偶者居住権の留意点についてご説明します。
①遺贈による承継
配偶者居住権は遺産分割協議だけでなく、
遺言によっても取得することができます。
ただ、その際の遺言書には「相続させる」と書くのではなく
「遺贈する」と書くことが重要です。

②共有の解消
自宅が配偶者以外の者と共有になっている場合には、
配偶者居住権を承継させることができません。

よって、生前中に共有関係を解消しておきましょう。

③合意解除時等のみなし贈与
配偶者居住権を合意解除した場合には、
配偶者から配偶者居住権の消滅直前の配偶者居住権相当額に
ついて、居住建物の所有者にみなし贈与課税がなされます。
つまり、一次相続で配偶者居住権を設定し、
ご自宅の評価額を一時的に下げても、
後々合意解除する場合は、その時点で課税されてしまう
ということです。
配偶者居住権を放棄した場合や、配偶者の用法違反により、
配偶者居住権が消滅した場合も同様にみなし贈与に
該当します。
このみなし贈与課税を防ぐためには、
解除による消滅直前の配偶者居住権相当額を、
居住建物の所有者が配偶者に支払う必要があります。
ご自宅を譲渡する場合、譲渡所得の計算上、
配偶者に支払った配偶者居住権相当額をどう取り扱うのか等
今後も注目していく必要があります。

④譲渡禁止と換金化
配偶者居住権は譲渡することができません。
配偶者が老人ホーム等に入居するために
配偶者居住権を換金化しようとしても、
第三者へ譲渡することはできないのです。
しかし、配偶者居住権を合意解除することを条件として、
合意解除によって利益を受ける居住建物の所有者から、
配偶者が金銭の支払いを受けることはでき、
この場合譲渡所得課税がなされることとなります。

⑤配偶者居住権の第三者への賃貸
配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得て、
第三者に居住建物を収益させることができる
されているため、居住建物を第三者に賃貸して、
配偶者居住権の価値を回収することができます。
ちなみにこの場合の課税関係は現在不明です。

配偶者居住権については以上です。

始まったばかりの制度のため
現時点ではわからない点も多くある配偶者居住権。
最善の対策がとれるように、
専門家の力を借りることも大切です。

ほうほう、なるほど。
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