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第39回 遺留分の算定方法について

2023.11.03

こんにちは!相続未来図の志田です。

今回は志田農園番外編!
2週ほど前に満開を迎えていた金木犀が綺麗に地面を覆い、
オレンジの絨毯の様になりました。
(絨毯はちょっと言いすぎですね)
金木犀が散るといよいよ晩秋。
季節の移り変わりを感じる今日この頃です。

さて、
今回は遺留分の算定方法について解説させていただきます。

~遺留分の算定方法~
遺留分は、被相続人が相続開始の時に有した財産の価額に
その贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を
差し引いて、算定します。
要するに、
各遺留分権利者の具体的な遺留分(個別的遺留分)は、
(【相続開始時の財産】+【贈与財産の価額】-【債務】)
 ×総体的遺留分×各遺留分権利者の法定相続分割合
です。

・贈与財産の価額算入について
贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、その価額を
算入します。ただし、当事者双方が遺留分権利者に損害を
加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前に
したものについても、算入することになっています。
なお、相続人に対する贈与については、上記の
「相続開始前の1年間」が「相続開始前の10年間」に、
「価額」を「価額(婚姻若しくは養子縁組のため
 又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」
とされています。

・総体的遺留分
総体的遺留分とは、
「相続人全体で最低限相続できる財産のこと」
です。
遺留分権利者は配偶者と直系卑属、直系尊属でしたね。
基本的には総体的遺留分は相続財産に対して1/2となります。
例外として、直系尊属のみが相続人の場合、
総体的遺留分は相続財産に対して1/3となります。

・個別的遺留分
個別的遺留分は、
相続人個人が最低限相続できる遺留分
で、
「総体的遺留分」に各遺留分権利者の「法定相続分割合」を
かけ算して算出
します。

今回は以上です。
遺留分の計算は相続分の計算と混同しがちになりますが、
相続分と遺留分の大きな違いは、遺留分の算定においては
「特別受益が必ず考慮される」点にあります。
また、相続放棄と違って、相続開始後の遺留分放棄は
特に何の手続きも必要ありませんし、
生前の遺留分放棄の方法も定められています。
次回は遺留分の放棄について解説します。

ほうほう、なるほど。
「遺留分という言葉はよく聞くけれど
 いまいちどうしたらいいのかわからない…」
と気になる方は「相談してみる」・「ご相談はこちら」から
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