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第38回 遺留分侵害額請求権について

2023.10.27

こんにちは!相続未来図の志田です。

志田農園のお野菜たちは
アキジャガ、ブロッコリー、ハクサイと
順調に育っていて収穫が楽しみです!

さて、今回は「ムカゴ」が収穫できまして、
零余子飯(むかごめし)を作りました。
「ムカゴ」…この正体は何なのか…ご存知でしょうか。

正解は長芋の実です!
ほっくりとした食感、山芋の風味がなんとも美味!
私は大好きです!
ちなみに今回採れたムカゴは来年の3月に畑に植え、
来年の秋に掘って再来年の3月にまた畑に植える
という周期で毎年長芋が食卓に並びます。
もうすぐ長芋も楽しみな時期ですね!

さて、今回は遺留分侵害額請求権について
解説させていただきます。
まず復習ですが、被相続人が遺留分を無視して
贈与や遺贈あるいは相続分の指定をしても
(これを「遺留分の侵害」といいます。)、
それ自体が無効になるわけではありません。
基本的には財産を分けるのは自由です。

遺留分権利者(配偶者、子や孫などの直系卑属
親などの直系尊属)は相続人に対し、
遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することが
できる
こととされました。
この権利を遺留分侵害額請求権といい、
遺留分権利者が、相続開始後一定期間内に
この遺留分侵害額請求権を行使することによって、
自分の遺留分が保障される仕組みになっています。
従前は遺留分の減殺請求に伴い、現物の返還が原則とされて
いましたが、遺留分侵害額請求権に金銭債権化されました。

その結果、不動産や株式などの対象物は受遺者らの
単独所有となります。
現物の返還をするとなると相続をするたびに土地や建物を
共有もしくは遺留分権利者に渡さなければならなりません
でしたが、現物の返還をしなくて良くなったことは、
土地建物を残していく上で対策しやすく改良されたと
思います。

この遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、
相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があった
ことを知った時から1年以内に行使をしないと時効によって
消滅するとされ、また相続開始の時から10年経過したときも
同様
とされています。
なお、共同相続人への贈与等は、全て遺留分侵害の有無を
判定する基礎財産に算入され、何十年前のものでも遡って
遺留分侵害の対象となるものとされていましたが、
今回の改正により、相続人への贈与等は、原則として
相続開始前10年間にされたものに限り算入されることと
なりました。

遺留分侵害額請求権の法的性質は、
受贈者や受遺者に対する意思表示だけで効力が生じる
「形成権」
であり、訴えの提起や家事調停を申し立てる
必要はないということには、改正の前後で変更は
ありません。

遺留分侵害額請求権については
現物の返還から金銭債権化されたことや
遡る期間の設定から被相続人の意思を尊重できるようになり
分割の自由度が上がりました。
事前に準備をしておくことで対処することができる様に
なったと思います。

今回は以上です。
次回は遺留分の算定方法について解説します。

ほうほう、なるほど。
「前より安心できるように改正があったのか…」、
「でも遺留分について対策をするといっても
 どうするのが良いのだろう…」
と気になる方は「相談してみる」・「ご相談はこちら」から
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