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第22回 相続対策の基本的な考え方「納税資金対策」について①

2023.06.29

「このまま相続が起きたらどうなるのか。」
この質問に答えられますか?

こんにちは!相続未来図の志田です。
志田農園では里芋の土寄せを行った様子。

ほくほくの里芋が今から楽しみです♪
里芋のおすすめの食べ方は醤油にワサビ少々(^^)
これはたまりません…
機会があれば是非試してみてください。

さてみなさん、冒頭の質問に答えることができますか?
親族でトラブルになるかも…という反応もありそうですが、
その際の対処法等は前回遺産分割(争族)について
お話しました。
「うちは土地が多いから
 このままだと相続税を払えないな…」
などとこの質問の答えが「お金」にかかわる場合は、
今回からの記事が参考になるかもしれません。

また、
納税資金を作りたいけれど、どんな方法があるのだろう
と疑問がおありの方にもお役に立てていただける記事に
なっております。

実は、私たちが相続税のシミュレーションをすると、
今のままでは相続税を工面できない状況にあるご家族に
出会います。
しかし、基本的には相続税は現金にて一括で支払う必要が
あります。

なぜ相続税が払えない状況になるのか?

理由は多くの地主は土地や建物が資産の大部分を占め、
総資産に対しての現金等の割合が少ないためです。

私たち相続未来図がご相談をお受けした中には
土地や建物の不動産が96%を超えるご家庭もありました。

ちなみに、国税庁のHPには以下の記載があります。
「相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日
(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月
 以内に行うことになっています。」
「相続税の納税は、上記の申告期限までに行うことに
 なっています。」
「金銭で一度に納めるのが原則です」
(引用:国税庁HP No.4205 相続税の申告と納税)

この原則があるため事前の納税資金対策が必要なのです。

では納税資金対策といっても何をすればいいのだろうか…

結論からすると、
この納税資金対策は大きく分けて5つあります。
5つあるのですが…
!!!できれば避けたい納税資金対策!!!
というものもあります。

まずは以下に挙げていきます。
【相続税納税資金対策の具体策】
□売却する不動産と保有する不動産を選定しておくこと
□生命保険を活用すること
□贈与して相続させる人の金融資産を増やすこと
□長期的な目線でお金を貯めることと殖やすこと
□借入をすること

上から4つは賢明な対策ですが最後の「借入をすること」は
!!!できれば避けたい納税資金対策!!!
となります(^^;

「事前に」対策を考えておらず、売りたくない不動産を
売却してもなお相続税の支払いが困難な場合の選択肢です。
これは「対策」ではなく「応急措置」です。

ちなみに…
借入をして、例えば働いた給料から支払うなどすると
所得税と住民税を払った後の手残りから返済をする形に
なります。これではなかなか返済が進みません。
事前に考えておかないと子供や孫世代に大変な苦労をさせて
しまうことも…

話が少しそれましたので、
納税対策の具体案について解説します。

~売却する不動産と保有する不動産を選定しておくこと~
言葉では一言で簡単に聞こえますが、
「母屋は残したいけれどそのほかの不動産は
 どこから売却したら良いのかわからない」
「借り入れもあるし築年数もバラバラで
 どうしたら良いのか…」
といった思いは、私たちがお会いしてお話を始めたころに
お聞きすることがあります。

でも話を聞き進めて行くと、おぼろげに
「この土地は売りたくないな。」
「この土地は高く売れそうだな」
という感覚は皆さん割とお持ちで、
本当のところは
「うちのことを自分たちの目線で考えてくれる人がいない」
「不動産と相続の知恵に長けていて信頼できる人がいない」

に集約されることが多い印象です。
私たち相続未来図は次にご説明する不動産のプロとしての
目線を持つことは当然持ちながらどのように子供や孫の代に
残していきたいかという思いを大切にして、子供や孫の代も
伴走しますので決してその場限りではない対策を
ご家族と一緒に進めていきます。

実際に必ず残す母屋を除いた不動産について根拠を持って
選定するには、まず資産効率収益性に重きを置き
不動産を数値化(見える化)します。
①資産効率
市場の価格と相続税路線価の価格を比べる
②収益性
年間賃料から年間支出を除いた手残りに対する
年間賃料の割合を算出する
年間賃料から年間支出を除いた手残りに対する
市場の価格・相続税路線価の価格の割合(NCF)を算出する

①と②の良し悪しを一覧にして分別していくと
不動産が数字化(見える化)するため
選定するための基本的な情報が手に取るようにわかる様に
なります。

売却する土地と残す土地ですみわけをして、
後世に残してあげた方が子供や孫世代は嬉しいのです。
もっと言うと
母屋の土地以外はできる限り収益の上がる資産を残して
もらえればなお嬉しい
のです。
私も多分に漏れずこのように思います。

せっかく残してもらったから…と、
今ある土地を残すことが正義と考え縛られてしまうと、
後々大変なことになりかねません。

今ある不動産に関してはご先祖様に感謝をし、
時代に合った資産の形を考えて後世に残す。

この考え方で納税資金対策を進めることが
ご先祖様にも次世代にも喜ばれる対策の形なのでは
ないでしょうか。

次回以降は生命保険や贈与、長期的目線で試算を殖やして
いく考え方について触れていきます。

ほうほう、なるほど。
「具体的な案がこんなにもあるのか。知らなかったな。」
「不動産はそのようにわけるのか。
 うちの土地はどうだろうか…」
と気になる方は「相談してみる」・「ご相談はこちら」から
お問い合わせください。