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第29回 相続対策の基本的な考え方「相続税対策」について⑤

2023.08.24

贈与しようにも、いくらを贈与するのがいいのだろうか?

こんにちは!相続未来図の志田です。
志田農園では栽培している野菜たちよりも先に元気よく
雑草たちが繫茂する大変な時期ですが、
私の父と祖母が孫や曾孫に食べさせる野菜たちのために
雑草と暑さとの戦いに一生懸命です(^^;
いつもありがとう!

さて、贈与する際に基礎控除内であれば贈与税を考える
必要は問題ありませんが、財産規模の大きいご家庭では
110万円の基礎控除ではなかなか財産の承継が進みません。
とは言え相続時に承継してしまうと多大な相続税を負担
しなければなりません。
上手く贈与を使っていきたいものですが、当然贈与する際に
基礎控除を越えた分は、贈与税がかかります。
税金を払わないのは難しいですから、贈与税と相続税の
コントロールが焦点
となります。
※子供や孫に対して、生活費や教育費などを必要な
 タイミングで財産を贈与しても、贈与税の課税対象には
 なりません。
例:孫が小学校へ進学するタイミングで、ランドセルを
  買ってあげる
  孫の大学の入学金・授業料をその都度負担してあげる
  親元を離れて生活をする子供に対する仕送り
子供に対する仕送りについては注意点があり、
1年分の生活費を例えば年始に一括で振り込むと、
必要なタイミングでの贈与とはならないため、
贈与税の課税対象と認定される場合があります。
ちなみに、孫への生前贈与は、原則被相続人の
相続発生前3年以内(令和6年1月1日以後の贈与は
最長7年に変更となります)の相続財産への加算対象では
ないのでうまく活用されると効果的です。

贈与税は超過累進課税ですので、贈与財産が増えれば増える
ほど税金も多く納税する必要があります。
基礎控除の額を越えて贈与する場合、何を基準に考えたら
いいでしょうか。

相続税と贈与税では税率が異なります。
贈与税と相続税の税率の違いから見ていきましょう。
【贈与税と相続税の税率の違い】
◇贈与税の速算表

【出典】No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

◇相続税の速算表

【出典】No.4155 相続税の税率|国税庁

贈与を行う上では、贈与税<相続税となるように贈与を
考えることが大切
で、実際に検討する際は実効税率※
を考慮するとより良い
ですね。
※(贈与額-基礎控除)×税率-控除額=納税額
 納税額÷贈与額=実効税率
ちなみに不動産を贈与する場合は不動産取得税がかかること
相続した際に使える特例(小規模宅地の特例等)なども踏まえ
た上で実行しなければ、かえって税負担が大きくなる可能性
もありますので注意が必要です。
また相続の場合は相続税の配偶者控除もあり、
配偶者の法定相続分までは相続税がかからなくなるため、
誰に贈与・相続させるかという点ももちろん重要と
なります。

相続未来図では将来的に誰に何をどのくらい渡すのか
について相続もしくは贈与どちらが最適かの比較、
シミュレーションを相続専門の税理士とチームを組んで
ご提案しております。

ほうほう、なるほど。
「贈与と相続は一緒に考えていく必要があるのか…
 知らなかったなぁ」、
「我が家では何が最適なのだろうか」
と気になる方は「相談してみる」・「ご相談はこちら」から
お問い合わせください。